テーマ: フォルクローレ音楽&ダンス

 

開催地: Melpignano

 

開催日: 8月の最終土曜日

 

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la notte della taranta foto silvano 

真夏のサレントといえば伝統音楽ピッツィカ♪ ピッツィカといえばラ・ノッテ・デッラ・タランタ♪♪ ラ・ノッテ・デッラ・タランタ(La notte della Taranta)とは、毎年8月にサレント地方各地で開催される16の一連の伝統音楽コンサートのことで、ひと夏でなんと計30万人以上もの観衆を動員するという、ヨーロッパ最大級の民俗音楽フェスティバルです。

南イタリアの太陽と海の楽園、プーリア州南部=サレント地方の生きとし生けるものすべてが生命を謳歌する夏の躍動と鼓動を具現化したフォルクローレ音楽&ダンス “ピッツィカ(Pizzica)”。

サレント地方の美しい夏をいろどるピッツィカは、ギリシャ系住民が多く歴史的にギリシャ文化の影響を受けてきたサレント地方ならではの大衆文化として発展し、タランテッラ(Tarantella)と呼ばれる南イタリア各地方のフォーク音楽の源となった、サレントが誇るとても歴史のある伝統音楽です。南イタリアの燦々とふり注ぐ太陽を感じさせる情熱的で躍動感たっぷりなピッツィカのリズムとメロディーは、夏のあいだの毎晩、サレント半島のあちらこちらから流れてきます。

ラ・ノッテ・デッラ・タランタは、3千年近い歴史をもつ伝統音楽をただ守っていくという枠にとらわれず、近年ではジャズやロックさらにオーケストラなどとサレントの民俗音楽を融合させといった新たな試みもまた、コンサートの大きな魅力となっています。

ピッツィカの特徴として、タンバリンのとても激しく速いテンポに合わせ、アコーディオンやギターやフルートといった楽器が奏でる情熱的なメロディー、さらに情緒豊かな男女の歌い手たち。そして忘れてはならないもう一つとして、女性ダンサーたちが踊る、躍動的なダンスを挙げられるでしょう。サレントの伝統的な農婦や街娘の出で立ちの、けっして華美すぎないドレスに身を包んだ彼女たちがステージを軽やかに踊る姿はとても華やかです。

現在ではラ・ノッテ・デッラ・タランタのおかげでピッツィカの名もイタリア全国でひろく知れわたるようになり、国内外の大都市でもラ・ノッテ・デッラ・タランタのコンサートツアーが開かれるほど、エネルギッシュで元気が湧いてくるサレント地方の伝統音楽は、海外での人気も年々高まっています。ラ・ノッテ・デッラ・タランタは、サレント地方の伝統音楽活動の振興を目的として、1998年に最初のコンサートが開かれました。当初から現在とおなじ、サレント半島内陸部の小さな村メルピニャーノ(Melpignano)が会場とされていましたが、その規模は現在とは比べものにならないほど小さなものでした。それから15回以上を重ねてきた現在では、毎夏8月の約1ヶ月にわたりサレント地方の15の村を会場とする15の一連の野外コンサートが催され、最後にメルピニャーノ村でクライマックスを迎えるという、南イタリアを代表する真夏の音楽イベントにまで成長したのです。

メルピニャーノ村で行なわれる最終日のコンサートは全国ネットのテレビ放送で生中継され、ひと晩で老若男女13万人以上の観衆が集うという熱狂ぶりですが、そのコンサートに先だって15の村で行なわれるラ・ノッテ・デッラ・タランタのコンサートはそれぞれ数千人〜1万人と、より小じんまりとローカルな規模と雰囲気のなかで行なわれるため、より容易かつ身近に音楽やダンスを楽しむことができます。ガラティーナ(Galatina)などこれら15の街はたいへん見どころが多く観光で訪れる価値も高いので、人の波を避けたいという方には、15の村でのローカルなコンサートをオススメです。

メルピニャーノ村で開かれるラ・ノッテ・デッラ・タランタのグランフィナーレの名物の一つとして、“みんなでオーケストラ(伊:Orchestra Popolare)”が毎年ひときわ注目を集めます。プロのミュージシャンからアマチュアまで地元サレント地方の腕利きの伝統音楽のミュージシャンたち30名がステージ上で一同に会し、一斉に人気のレパートリーを演奏するその迫力は、まさに圧巻のひと言。この“みんなのオーケストラ”の指揮者には、国際的な音楽シーンの一線で活躍する著名な指揮者や音楽ディレクターが、毎年かわるがわるゲスト指揮者として参加し、ラ・ノッテ・デッラ・タランタ毎年恒例の楽しみの一つとなっています。これまでの指揮者&総合演出のなかには、イギリスの伝説的バンド=ザ・ポリス(The Police)のスチュアート・コープランド(Stewart Copeland)や、イタリアを代表するピアニストのルドヴィコ・エイナウディ(Ludovico Einaudi)そして人気シンガーソングライターのマウロ・パガーニ(Mauro Pagani)そしてボスニア出身で世界的に活躍する作曲家ゴラン・ブレゴヴィッチ(Goran Bregovic)など、そうそうたる顔ぶれがみられます。

ラ・ノッテ・デッラ・タランタのグランフィナーレの前日には、メルピニャーノ村の本番とおなじ会場で公開リハーサルが行なわれます。本番とほぼ同じかたちで進められる最終リハーサルには、例年数千人程度の観衆が訪れるだけですので、こちらも本番の人混みを避けたい人には人気があります。なんとミュージシャンたちと気軽に直接話せる機会もありますし、“穴場”としてオススメです♪

夏にプーリア州を訪れるならば、南部サレント地方にぜひ足を伸ばして、ピッツィカの圧倒的にパワフルな音楽の世界に肌で触れてみてください。きっとステキな思い出となるでしょう…♪

来夏のスケジュールはまだ未定ですが、2015年のラ・ノッテ・デッラ・タランタのコンサート・カレンダーなど詳しい情報はコチラのオフィシャルサイトからどうぞ。