Presepi di Natale(クリスマスのプレセピオ・ビベンテ)

 

テーマ:クリスマス, 南イタリアの伝統習俗

 

開催地: Tricaseおよびプーリア州各地

 

開催日:12月25・26日, 1月6日,および12月25日〜1月6日の間の週末

 

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 presepe vivente di tricase

イタリア人にとってクリスマス(伊:ナターレ Natale)といえば、一年でもっとも大切な行事といえるでしょう。毎年クリスマスイブから1月6日のエピファニアまでの2週間を中心に、年越しをまたいだ長いクリスマスシーズンが続きます。この期間にはサレント地方各地の街や村では、それぞれ個性的なクリスマスのデコレーションやイルミネーションで通りや広場を飾り、クリスマスシーズンの到来をワクワクしながら迎えます。なかでもサレントの都レッチェの旧市街にあるサントロンツォ広場のクリスマスのイルミネーションは見事☆ サレントっ子ならばクリスマスシーズン中にかならず一度は訪れるという人気ぶりです。そのすぐお隣には古代ローマの円形闘技場を舞台に、プレセーペ(presepe)=キリスト誕生シーンの巨大ジオラマが、オリーブの樹などを用いてサレント風に再現されています。

プレセーペあるいはプレセピオと呼ばれる、このキリスト誕生シーンを再現するクリスマスの風習は、1223年にかの有名なアッシジの聖フランチェスコによって始められたもので、以来8百年にわたりイタリアの各家庭でクリスマスの伝統として受継がれてきました。 毎年12月になると各家庭では、マリアにジュゼッペ、赤ん坊のイエスに東方の三博士などメインキャストのほか、羊飼いや洗濯女にパン焼き職人など、エキストラというべき人形たちも一緒ににぎやかに飾られ、クリスマスの楽しみの一つとなっています。

そんなプレセーペを、公の場で生身の人間が演じてしまおうというのがプレセーペ・ビベンテ☆

南欧、とりわけ南イタリア各地で盛んなこのクリスマス独特のイベントは、キリスト誕生のシーンよりも、むしろそのまわりで演じられる市井の人々の日常光景が見どころといった方がいいかもしれません。市井の人々のエキストラや設定は、それぞれ各地の風俗や自然に合った形にアレンジされているのが、とっても面白いところ♪その多くが19世紀イタリア各地方の習俗をモチーフにしており、当時の地方ごとに異なる伝統衣装や職人の仕事ぶりを忠実に再現したプレセーペ・ビベンテは、それぞれの地方や街によって趣がことなるため、とても興味深いのです。サレント地方でも毎冬いろいろな街や村でプレセーペ・ビベンテが催されますが、なかでもサレント半島南部トリカーセ(Tricase)のプレセーペ・ビベンテは、一番のオススメです☆ 建物や衣装に道具類など、細部にいたるまで歴史に忠実な再現は、他の追随を許しません。

今から150年ちかい昔、じっさいにサレント半島の住民たちが使用していた日常生活用品や仕事道具を用いて、当時の服装を身にまとった生身の人間たちが、サレントっ子の伝統的な暮らしぶりをみごとに現代に甦らせたトリカーセのプレセーペ・ビベンテは、感動すら覚えることでしょう。

今ではほとんど使われることも日ごろ目にする機会もなくなった、ホンモノの工具をもちいてそれぞれの作業シーンを披露する陶工、鉄鍛冶、靴屋に機織りなどは、すべて実際の職人さんたちが演じ、その見事な腕前を披露してくれます。

地元サレントの伝統を守ろうと熱心な愛好家やボランティアの方々に支えられている、このトリカーセのプレセーペ・ビベンテ。南イタリアでクリスマスを過ごされる方は、ぜひ足を運ばれてみてはいかがでしょうか。きっと特別なクリスマスの思い出になりますよ♪